それでいいのだ

かくあるべき
かくありたい
と、ねがうあまりに
いま、こんなに充実、
すてきな仲間、
そんなことにきづかない


何年かしてきづいても
覆水盆に返らず
こぼれた水をなめまわすも
古畳にしみこんでゆく
せめて畳の「しみ」をあじわいつくし
しずかにあたらしい水をそそぐ


盆に返らずとも
水は海にそそぎ
そこでつながっている
いま、つながっている
だから、かなしくはないんだよ
こぼしてもいいから、いつも、いまを、あじわえ