サマータイムブルース

あれは中学生のころだったろうか。
RCサクセションの素晴らしすぎるレコードが発売中止になったのは。
カセットテープが擦り切れるまで聴いた。
電力は余ってる、いらねえ、もういらねえ、とサマータイムブルースは歌っていた。
それからわたしは汚れつちまつて、純粋なこころを失つてしまつたのだろうか?
人類は、わたしは、もっともっと捨てなければならない。
すでに捨てても土に還らないものだらけではあるが。
遅くないなら、捨てて捨てて捨てまくらなければならない。
そして自己をも放棄したとき、この悪夢のような素晴らしすぎる世界を肯定できるだろうか。
ラジオでは沖縄にやってきたサンボマスターが、ロックンロール!とシャウトしている。
信じて続けることは偉大だ。
歌い続けている人たちを心底尊敬している。
捨てて捨てて自己をも放棄したとき、歌でも歌えるだろうか?
とにかく今は、捨てることだ。
放下!とシャウトしながら。