Yに捧ぐ

雨に歩けば
千鳥足がもつれて
少々情けなくもあり


雨に歩けば
やせっぽちの背中に
少々酔いを醒ましつつ


声がするほうへ
光の射すほうへ
磁力の導くままに


ガラス扉に
モノクロ映画じゃなく
今という瞬間が


雨に歩けば
忘れてた感情が
溢れては舗道に流れ


雨に歩けば
身勝手な本当が
歌になり飛沫をあげる